C-529　板戸のキャビネット　C-289アレンジ

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以前にウイスキーキャビネットC-503をオーダーしてくださった東京都のNさんから、その隣に並べて置くための板戸のキャビネットをご注文頂きました。

スタイルは基本的に事例のC-289と同じで、隣に並ぶウイスキーキャビネットと揃いになるように細部のディテールを少しだけ調整しました。

決定図面

完成したキャビネットです。ほとんどC-289と同じなので、パッと見ただけでは違いに気が付かないかもしれませんが、扉の手掛け部分の意匠がC-289とは違っています。これは隣に並ぶウイスキーキャビネットの手掛けと揃えたためです。

内部には移動できる棚板が２枚。棚ダボを差し替えることで高さを変えることができます。

もう一点C-289と違うところは、引き戸の下に溝がないことです。先にお納めしたウイスキーキャビネットがこのような仕様になっていたので、これに合わせました。これは昔の下駄箱に多く用いられていた方法で、溝に砂が溜まってスムーズに引き戸の開閉ができなくなるという問題を解決するために開発された手法です。とても良く考えられており、利便性も高いのですが、その構造の都合上、背の高い扉には不向きで、この作品くらいが高さの限界となります。

Nさんは、当面はここに日用品を収納するけれど、いずれはウイスキーキャビネットに入り切らなくなったコレクションの収納場所にしたいお考えだそうです。

Photo by Nさん

こちらはNさんが送ってくださった写真です。左が前回お納めしたウイスキーキャビネット。右が今回お作りしたキャビネットです。高さも奥行きも板の厚さまでも、ウイスキーキャビネットとぴったりに作ったので、こうして見ると一つの家具のようです。

Nさん、ありがとうございました。