C-524 　椅子に座って拝む、扉の無い仏壇（厨子）

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京都府のNさんからご注文いただいた扉の無い仏壇です。

Nさんのご希望は、脚付き仏壇C-497を基本として、これに浅い引き出しと深い引き出しをひとつずつ加え、低めの椅子に腰掛けて拝むことができるようにアレンジしたいというものでした。その他に、扉の有無に迷っておられ、扉がある場合と無い場合、それぞれの見積もりをお願いします、ということでした。

こちらが最終の図面です。打ち合わせの過程では紆余曲折ありましたが、最終的には扉は無しになりました。

【ひとこと】
時々「仏壇の扉はどうしても付けなければならなのでしょうか？」と尋ねられることがありますが、これにつきましては私達からはなんとも申し上げられません。属していらっしゃる宗派によっても違うでしょうし、同じ宗派でもご住職の解釈によって答えが変わるようですので、一度お世話になっているお寺さんに尋ねてみてください。「なんでもいいですよ。要は尊ぶ気持ちの問題ですから」というお寺さんもあれば、「それは仏壇とは言いません。それでは仏様に失礼です」とおっしゃる僧侶もおられるようです。

そしてこちらが完成した扉の無い仏壇です。

上から「上段」→「中段」→「下段」→「スライド棚板」→「深い引き出し」→「浅い引き出し」→「脚部」という構成です。そして、天井にはLEDライトが取り付けられています。

これは一番下にある「浅い引き出し」を引き出した様子です。ここには頻繁に出し入れする数珠や経本、ロウソクや線香のストックが収納されます。なぜ浅い引き出しが一番下にあるのかは後述します。

これは「スライドする棚板」を引き出した様子です。この棚板は常にこの状態になります。つまり、そのすぐ下にある引き出しを引き出しても、この棚板が上にあるので、引き出しの中身を取り出すことができないのです。それで、頻繁に出し入れする「浅い引き出し」を低い位置に設けることになったという次第です。

「深い引き出し」は、その深さが１５cmあります。ここには焼香台や花瓶など、たまにしか出し入れしない物が収納されます。

これは天井照明を点灯した様子です。天井照明は充電式ではありません。コンセントが必要です。

御本尊も、香炉やリンも、高さ４０cm程度の椅子に腰掛けるとちょうど良い高さになるよう設計されています。

Nさん、ありがとうございました。