C-523 　高さ170cm　ウォールナットの飾り棚（シェルフ）

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長野県のSさんからご注文いただいたシェルフです。

Sさんとの御縁を繋いでくださったのは、D-154をオーダーしてくださった東京都のKさんでした。東京から信州を訪ねていらしたKさんをクラポの展示室まで自動車で送ってくださったのがSさんです。せっかくなのでKさんご夫妻と一緒に展示室の中まで入っていただいたところ、ちょうどSさんが探しておられた家具に近いものが展示してあり、「これに似た家具を作って頂くこともできるのですか？」ということで、今回のご依頼に繋がりました。

決定図面

こちらが完成した高さ170cmの飾り棚です。（大きさの目安として身長160�pの人物の絵を入れてあります）構成は至ってシンプルで、観音開きの物入れと、上段がオープンシェルフという二部構成。「圧迫感が無いように」というご希望でしたので、オープンシェルフには背板をつけず、後ろの壁が見えるようにしました。

観音開きの扉には、クラポのオリジナル木製ツマミを取り付けました。

扉を開けた内部の様子です。中央に仕切り板を立てて左右を分割。それぞれに移動できる棚板を2枚ずつ設けました。

扉を支えているのは真鍮製の一軸丁番。クラポではこの丁番を好んで使います。理由はふたつ。1つ目はとにかく頑丈であること。2つ目は古びた時の風合いが好きだからです。真鍮を磨いただけのこの丁番は、ラッカー塗装やメッキ仕上げを施したものと違って、時間の経過とともに輝きが引いて行き、趣のあるくすんだ色味へと変化して行くのです。

オープン棚の部分は、上に行くにしたがって奥行きが浅くなって行きます。

背板が無い代わりに、棚板の一番奥の部分には少しの立ち上がりを設けました。こうすることで、棚板の上に並べた本などが壁に当たって壁を傷めてしまうことを防ぎます。

後ろから見るとこんな感じです。

実はこの飾り棚、亡くなられたご家族にまつわる品々を並べるために誂えられたものでした。家具をお納めして帰る時には、棚の上には何もありませんでしたが、きっとその後ゆっくりと時間を掛けて思い出の品々を並べられたことでしょう。　Sさん、ありがとうございました。